ボリス

かつては自然を護る精霊だったボリスは、古代にして莫大な力を持ち、大地そのものの原始の力を体現していた。
太古、アシュカラスへの最初の裂け目が開いたとき、彼こそがシルマーラを守護した最初の存在だと語り継がれている。ボリスは全身全霊の力を解き放ち、現実そのものの裂け目に立ち向かい、大地の精髄を呼び起こしてその門を封じたのだ。その後、彼は壮大な祠を築き、己の魂の一片を宿して未来の戦士たちがその力を引き出せるようにした。

だが彼の最期は敵の策略によるものではなかった。師の誇りを試すための戦いと、それに駆られた弟子の衝突――二人の強者の争いに巻き込まれ、深手を負ったのである。生存本能に突き動かされ、異界を渡り歩いたボリスは、戦火に覆われた惑星でついに傷に倒れた。

その亡骸を偵察任務中のカラリが発見する。遺骸は彼女の指揮者によって回収され、クロームと回路によって再鍛造された。神性を鋼鉄に縛られ、B.O.R.I.S.として蘇ったのだ。
今、彼は再び歩む――守護者としてではなく、秘められた兵器として。断片的な記憶と、名もなき深く燃え盛る責念に突き動かされながら。